西洋かぶれ  その2

しかしそんな私でもヨーロッパ人の傲慢さやアメリカ人の無知というか能天気さには呆れかえる時があります。現在世界の中で紛争が起きている地域は、例外なくかつてはヨーロッパの植民地であった地域です。中東然り、アフリカ然りで、紛争の元を探ると植民地時代の宗主国による支配と経営に行き着くのです。宗主国間の都合で勝手に分断された部族や領土が、独立後にしこりや不満を爆発させ、植民地時代の宗主国のいびつな支配形態が、部族内部の抗争と対立を生み出しています。しかし旧宗主国は甘い汁を吸ったことや植民地に与えた深刻なダメージについても、ほとんど触れることはせずに現在まで来ています。かつてイギリスの植民地であったアメリカ合衆国は、独立後急速に大国化すると第2次大戦後にはそういった旧植民地の経済や政治に大きな影響力を持つようになりました。「新植民地主義」と言われるような新たな“植民地経営”をするまでになったのです。現在起きている世界各地の紛争には、必ずといって良いほどにアメリカ合衆国が絡んでいて、“世界の警察”を自称してはばからない国なのです。もし彼の国が手を出さなければ事態が今ほどまではこじれなかった、といった国は枚挙に暇がないほどです。“非白人世界”にとってアメリカは“鬼門”でもあると言えるでしょう。とは言っても、アメリカのTV番組で育ち、ビートルズボブ・ディランに憧れた世代の私は、“西洋”の二文字に文句なく弱く、今なお”自虐的“な観点でこの国を見てしまいます。きっとその筋の人たちにとっては”国賊“ものなんでしょうねえ、私なんぞは。つづく

あくびだわね