凍土遮水壁

福島第一原発で始まった凍土遮水壁工事は、あくまで地下水の汚染を“部分的”に防ぐだけの工事なのですが、膨大な電力を使用(一般家庭に換算すると1万3千世帯分とか)するだけでなく、当然工事にかかる費用も莫大な金額となるはずで、おまけにその効果たるや未知数というとんでもない代物ようなのです。“溺れる者は藁をも・・・”と言いますが、汚染水貯蔵タンク、「アルプス」などもトラブル続きで一向に態勢が整わない事故処理日程に、もう恥も外聞もなく“食えるものなら按摩の笛でも”レベルの対応にも思える有様です。
そもそも凍土遮水壁という対応策は土木工事などで使用される技術だそうで、あくまで短期間の工事用と言われます。冬の寒い時ならまだしも、これから暑くなる時期に向けて執り行う工事とも思えません。地下水の温度が何度くらいなのかよく知りませんが、仮に凍土で囲ったにしても、常時地下水に晒される凍土面が融解しないという保証はあるのでしょうか。いっそのことコンクリート杭とか鋼板の打ち込みか何かで囲ったほうが良いような気もしますが、どっちにしても本体の廃炉の目途が立たない以上は何をやっても焼け石に水と思えます。
もうこの場で幾度となく繰り返しましたが、福島第一原発周辺30キロあたりまでは無人区域として、その前提で廃炉、最終処分地など山積する課題を根本から検討しなおす必要があると考えるのです。当たり障りの良いことやその場しのぎの泥縄式対応はもう止めにすべきです。私たちの税金をつぎ込んでやっていることなんですから、少しはこちらの意見を聞いてくださいよ、ねえ、政府や東電のえらいさん達。

また失敗でしょ、期待しているのではないけど・・・