電信柱の疑惑 その2

ヨーロッパからの人たちが東京に来て驚くことに一つに“電柱が多い”ということがあるそうです。ヨーロッパ人から直接聞いたのではなく、本か新聞で読んだ話ですから“又聞き”のようなものですが頷ける話です。丸の内や銀座など電線が地中化されている地区もありますが、日本の多くの都市は電信柱が幅を利かせています。新しく道路を造ったり住宅造成を行ったりしても、相変わらず電信柱と電線は生き続けます。要するに、この国の都市計画には電線・ケーブルの地中化と言う発想がないのかと思ってしまうのです。電気や電話、インターネット、光ケーブルといった通信網が、現在の生活の中で果たす役割はもはや空気と同じで、無くてはならない存在です。ですからそれらをどのように管理し保守点検してゆくのかということは、大気を守ると同じくらい大事なはずです。政治家の中にも電線の地中化を唱える人が居るには居るのですが、具体的な政策となって実現はしません。ところどころで電線の地中化工事が行われることはありますが、ほんの申し訳程度のことで終わってしまいます。
電線やケーブル類の地中化は、共同溝といった下水溝などと共用の大掛かりなものから簡便なものまでいくつかの種類があるようですが、埋設される場所や利用状況によって工事を選択するなら、決して困難な事業ではないはずです。計画的に実施できる事業でもあるのですから、公共事業としては取り組みやすいものであると言えるでしょう。また、地震や台風による電信柱の倒壊被害から電線を守ること以外にも、美観上の観点からも電柱をなくし地下埋設を促進することが急務なことなのです。先進国としての面子だってあるでしょうがねえ。世界一、世界一と騒ぐ人も居るのだし・・・。
ところが一向に地下埋設は進まない。これはどう考えても政策的意図のもとに電信柱保護の潮流があるのだと考えざるを得ない、とまあ勘繰る訳ですね。
つづく PS 申し忘れましたが 明日は休みます。

あくび