出来そこないのお坊ちゃん

先週の安倍首相の靖国参拝は、想定内の中国、韓国による反発のほかに米国やEUまでもが渋い顔となって、さすがに首相周辺の取り巻き達も慌てているらしいですが、圧倒的多数の国会議員と党内反対派のだんまりのせいもあって、当の本人はどこ吹く風と意気揚々としている様子です。特定秘密保護法と言い今回の靖国参拝と言い、安倍首相は思い込んだら前後の関係など頭の入らない性格らしく、苦労知らずの単細胞お坊ちゃんの面目躍如といったところでしょうか。
公共事業費や日銀の通貨ばらまきで一時的なミニバブルの様相ですが、じわじわ上昇を続ける物価と来年に予定されている消費税増税、また企業寄りの税金優遇策や規制緩和策など、私たちの家計や労働環境を直撃する施策が目白押しとも言え、来年の後半にとんでもない経済破たんがやってくると予想する学者もいます。税金投入や通貨ばらまきというカンフルが切れた後、なんと言っても1000兆円にも及ぶ借金のツケが、その利払いだけで税収を食い尽くしてしまう事態がすぐそこまで来ているのですから、とても一時的な株高などに浮かれている時ではないし、いくらA級戦犯の自慢の祖父を戴いているとは言え、靖国詣でが外交上の軋轢を増幅させその影響が経済にまで及ぼしかねないぐらいは理解できるはずです。
しかし、そういった出来そこないを“たのもしい”あるいは“決断力がある”と勘違いする人々の多いことも事実で、他力本願のお気楽、お手軽好きの今の世の中にうってつけの首相とも言えるのでしょう。民主主義が自らの決断と責任において構築されるとするなら、その道はいまだ半ばに届かずにいると思わずにはいられません。来年度以降に予想される“がたがたボロボロ”の状況に、今から備えておく必要を思う年の瀬であるのです。
今年はこれでお終いです。来年は4日から営業予定ですから、また御贔屓に。

良き年を