約束

“決め事や約束したことは破られるためにある”とやくざ映画の誰かが言っていましたが、今その通りのことが起きています。
南スーダンで活動している自衛隊PKOが保管している銃弾1万発を、緊急措置という名目で韓国軍PKOに提供するということを政府は決めました。PKO法案が国会で審議された際に、政府答弁ではいわゆる「武器輸出三原則」はこの法案でも適用され、武器の類の貸与、提供は行われないと言明されていました。ところが今回の南スーダンではこの約束があっさりと反故にされて、官房長官談話なるものでお茶を濁されています。国会で約束されたことがいとも簡単に破られることに呆れると同時に、そのような言わば無法がまかり通る時代が来たのかと背筋が寒くなる思いです。国連を通じて韓国から緊急の要請があったからと強調されていますが、当の韓国の報道官は「弾丸が足りている、予備だ」と言っているし、要請そのものの根拠さえ曖昧です。
これからは本格的に「武器輸出三原則」を反故にして、日本を武器商売の世界にデビューさせるつもりなのでしょう。先進諸国の中で唯一、武器輸出に公式的には手を染めていない国であることは、憲法第9条とともに世界に誇れる名誉ある実績なのです。もっと言えば、富士山や和食の世界遺産登録などよりも、強力にアピールすべき世界に冠たる良識の証明なのです。日本のこれまでのそう言った実績は、この国が経済力だけではない、教養と見識の高さを示す証であったのです。まったく安倍内閣という馬鹿集団は何を考えているのかと思わざるを得ません。
おまけに、約束事を平気で破る傲慢で詐欺的態度は、これからも続くと思われます。強行採決と国会無視の果てに成立させた法案を、「説明不足が有ったかも知れない」などと言ってシャーシャーとして居られる首相が大きな顔でまかり通る、こんな政治に誰がしたんだ馬鹿野郎と怒鳴りたくなりました。

本当に困る