道徳教育

文科省の諮問機関で有識者会議とかいうところが、「道徳」を教科として格上げし検定教科書を使い評価対象の科目とする案を出しました。安倍首相はこのことについて大分熱心のようで、前回の首相就任時にも同じような構想をぶち上げています。権力者や国家が「道徳」や「倫理」やらを持ち出すときは大体がろくでもないことが多く、力のある者に都合の良い規範を、民衆に徹底させるための方便として使われるケースが度々あります。
本来的に考えれば、道徳は個人の内面に依拠して成立する規範であり、国や権力者が民衆にあれこれ指図して成立するものではありません。ましてや国語や算数と同じように評価の対象となるはずもなく、“画一的な道徳”などと言う訳のわからない代物となるのが落ちです。戦前の日本がこの手の教育を徹底して行ったのは周知のことで、有識者会議なる組織は亡霊の集まりのようにも思えます。
特定秘密保護法案や日本版NSC、それにこの「道徳教育」とくれば、治安維持法特高皇国史観教育と言ったところを連想してしまうのは、私だけではないと思うのです。マスコミの世論調査によれば相変わらず高い支持率を誇る安倍内閣ですが、道徳的に低いゆえに選ばれた内閣と言う逆説的見方も可能な訳で、どっちに転んでもあまり褒められた状況でないことだけは確かなようです。

なに?不道徳だって