憂慮

私がガラクタに囲まれて暮らしつつも、いつかそのような生活から抜け出て、「己をつづまやかにし、奢りを退けて、財をもたず、世をむさぼらざらんぞ、いみじかるべき」と言った境地になることを夢見ているは、すでに幾度かこの場で表明しているところですが、そのような思いに反してこのところまたガラクタが増殖しつつあります。誠に憂慮すべき事態と思いつつも悪癖収まらず、何かうまい方法はないかなあ、と気を病んでいる傍から、“宅急便でーす”とまたガラクタが届くという、無間地獄のような有様にのた打ち回っている今日この頃なのです。
ホント、どうにかならないですかねえ、“ネット買い”なんてものがあるからつい買ってしまうのですが、誰が考え出したのか、家に居ながらいつでも買い物ができる悪魔の手先のようなシステムが、この私を蝕んでいるのです。その昔、“カード地獄”なんていう言葉もありましたが、あれよりひどい、なんせ買い物に出かける必要さえないのですから、困っちゃうよねえ、私意志弱いし、物欲強いしだから、オカマみたいなボヤキだけどホントに憂慮しているのです。
こういった“買い物症候群”や“欲望過多症”は、結局のところ自分が何を必要としているのか、本当に欲しいものは何かという部分が曖昧となっていることにその原因があると思われ、次から次へと結婚離婚を繰り返す(ある意味うらやましい限りですが)不感症の人たちと同じ症例ではないかと考えています。とっかえひっかえ相手を変えてもやることは同じなのだから(それはそれでうらやましい)、いい加減のところで諦めるかしたらよいと、他人ごとでは理解できるのですが、自分のこととなるとこれが実に難しいのです。コレクターと呼ばれる人たちも際限のない世界に迷い込むようですが、ああいった人たちは金満家が多く、その辺りが私と根本的に異なる訳で、考えても考えても私の憂慮は解決しそうにないのです。
 

私はガラクタではないのよ、ピントはお甘いけど