春のギャラリー 最終日

富士山が世界遺産登録とやらで地元は湧いているようですが、5合目のあの汚らしい建物群はまさに日本の観光地の象徴とも言うべき醜悪さで、あんなものを放置したままの世界遺産など片腹痛いと言うか、選ぶ方の審美眼を疑うと言うか、それともブラックユーモアのつもりなのか、理解に苦しむ出来事です。しかし、考えてみれば世界遺産は逆説的に見ると、人類が犯してきた破壊と過ちの反省の上に成り立つ「遺産」な訳で、そう言った意味からすれば儲け主義の山小屋とお土産売り場がひしめく富士山は、ヒトが蹂躙した自然遺産とも言える典型とも考えられ、まさに世界遺産にふさわしいのかも知れません。
遺産の登録がされようがされまいが、噴火を起こせばそれどころではなくなるのは必至で、そちらの心配でもした方がよほど為になると要らぬ心配をしております。要らぬ心配ではないですね、火山灰は東京に降り注ぐようですから、噴火ともなれば・・・。
今日は水彩のスケッチです。2点いっぺんに登場です。短かった春のギャラリーはこれでお終いです。“春宵 一刻 直千金”のこの時期に、なにやら時間を無駄にしたなどとは思われなかったでしょうか。そうであれば幸いです。
 

阿弥陀岳   水彩 F6



菅平牧場   水彩 F6