反原発の講演会に行ってきました。

近所の人から原発の講演会に誘われて、寒い日曜日の午後、やはり近所の女学校の講堂まで出かけてきました。どうせ人はまばら、と思っていたらほぼ満員の盛況で、少しびっくりしました。浪江町の被災者の方と京大の原子炉実験所の方の講演でした。事故からすでに2年以上経過し、世間の関心もかなり薄れてきた感じもありますが、こういった地道な取り組みは原発事故の重大性を風化させないためにも大切なことと思いました。
実を言いますと、今回の原発がらみでこういった集会に行ったのは初めてで、あの金曜日の集会や明治公園で行われた集会にも、ついつい出不精を決め込んでいたのです。今回も誘われなければ、近所でなければ行かなかったかも知れず、頭の中では原発反対と思っていてもなかなか実行の伴わない、典型的な小市民型の一人であったのです。講演会での話は特別目新しい内容ということはなかったのですが、浪江の住民の置かれている現状や、復興=帰還という単純な発想では解決できない、つまり町に帰らない選択肢も含めての論議をする必要性などが報告され、住むこと自体が出来なくなってしまった原発事故の深刻さが浮き彫りにされていました。
また、事故により放出された放射性物質の拡散範囲、その量の多さには改めて驚くとともに、政府や自治体、電力会社の対応と情報開示度にはかなりの疑問を抱かざるを得ないようで、いわゆる危険地域のみでなく広範囲の汚染が現実的になっている実態が、専門家の口から聞かされると説得力をもって納得させられます。よくあることですが、隠蔽体質というのが政府や事故当事者の間に依然として根深いのでしょう。私たちの知らない、知らされない事実が数多くあるようです。
汚染地下水の漏水や電源事故、あるいは使用済み核燃料棒の取り出しなど問題が山積みで「事故収束」とはほど遠い福島原発ですが、世論による監視の必要性を感じた講演会でした。
 

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