為替は固定制に・新鎖国主義のおすすめ  その2

 いま多くの先進国の失業率は10パーセント台に突入したと言われ、中でも若年層の失業率が高いというのが特徴です。原因はすこぶるハッキリしていて、グローバリゼーションという名の低賃金を求めてさ迷い歩く無国籍資本の体質によります。経済のグローバル化がすべて悪であるとは思いません。先進国の工場進出は開発途上国の工業技術や生活の向上に一役も二役も買っていますし、もちろんそれと同時に劣悪な労働条件や貧富の格差増大などにも肩入れしていますが、長い目で見れば、「エントロピーは増大する」という法則通りに国際間の平準化に寄与していると言えます。先進国で進んでいる産業の空洞化という現象は、自由貿易システムの必然であり、全世界が平準化するまで続く流れのようなものと言えるでしょう。
 さあ、そこで、このような事態をどのようにすれば打開できるかという本題に入るのですが、私たちの国は江戸時代の約300年の間「鎖国」という外交政策をとってきた歴史を持っています。これを参考にして現在のグローバリゼーションの荒波に立ち向かおうという魂胆な訳です。正直申しまして、私は江戸時代のことなど殆ど知らず、したがって付け焼刃の耳学問程度の知識しか持ち合わせておりません。ですから、それを踏まえての話ということとなります。
聞くところによれば、「鎖国」と一口に言っても完全な閉鎖社会ではなかったと言われています。長崎の出島を窓口にして、当時の世界の趨勢にも、技術的なものも、かなりの情報の流入や物の交流があったようです。もちろん今のご時世では「鎖国」といっても現実的には無理ですから、貿易や経済交流に一定の制限を設けるといった程度のものとなるでしょう。その具体的な方法として「為替の固定化」と「関税障壁」の復活を考えているのです。なんせ貿易自由化、経済グローバリズムの昨今、半世紀も昔のシステムを引っ張りだそうというのですから、経済的には鎖国に等しいものと思い「新鎖国政策」としたのです。
 
 眠い・・・