建設的意見 も一つ

前回バスレーンのことに触れましたが、正直言って私たちの身の周りにある道路は、とてもあの大きいバスが走れるような規格の道ではありません。軒先をかすめて、あるいは歩行者を塀に張り付けながらの運行です。欧米のバス運転手は日本のバス事情を見ると、まずその運転技術の高さに驚くそうです。狭い道を、人も自転車も車も一緒になっている中を、すり抜けながら走るテクニックに感嘆の声を上げると言います。これは決して誉められたことではなく、先進国とは名ばかりの都市計画の欠如が示す田舎都市の実情を指摘されたと考えるべきでしょう。
そこで公共事業好きの皆様にもきっと受けること間違いなしの提案ですが、「日本列島改造計画」を立ち上げ、大都市や幹線道路を中心に大改造をする訳です。“うんじゃ オラほうの町はどうなるだ?”とお思いの方がたも多数いらっしゃることは承知しております。しかしこの計画のようなものは、すでに雪深い国の政治家が官僚に書かせた先例もありますから、地方出身者の多い中央官僚の皆様がきっと配慮されると思われ、あまり心配はいらないように考えております。何故なら、こういった全国的なプロジェクトは、官僚の力を使わずには実現が出来ません。したがって一度官僚たちの思いのままに計画案を作らしてみるのがよいかと思います。彼らの力量を量る上でも有意義でしょう。もちろんチェックはきちんとします、私たちが。
都市計画は道路、住宅、商業地、文化施設などの配置及び整備を総合的に取り扱いますが、改造や維持管理をも含む大プロジェクトです。その国の経済、文化、教育、文明のレベルを示すものでもあり、中でも都市部の都市計画の進捗度は、その国の顔を表わしていると言っても過言ではありません。グニャグニャまがった道路や狭い路地、事務所も住宅も工場も一緒くたの街並み、文化施設の貧困さなどをそのままにして、いくら立派な建物や最先端のインテリジェントビルを建てたところで、デッサンの狂った顔でしかありません。明治政府の田舎感覚にいつまでも付き合うのはごめんです。ここはひとつパーと派手に計画を立ち上げてみたら如何かと思います。財源は国民の皆様が蓄えていらっしゃる貯金をあてにしたらどんなものでしょう。
 
 建設的寝姿