もう何をか況や、でございます。

このところの円安、株高で、俄かに色めきだっている経済界や金融界ですが、国債などの長期金利がじわじわと上がり始めているらしく、これは1000兆円にもなろうという国の借金の金利が雪だるま式に増えてゆく前触れで、財政出動やらで少しばかり景気が良くなったところで、そんなものは吹き飛んでしまうオトロシい結末の案内状が送られてきた気分でもあるのです。
しかし、世間の皆様は“アベノミクス”とか申しまして、一過性?の昂揚に浮かれ始めています。世論調査は安倍政権におおむね好意的な様子を示していますし、自民党支持率も近来になく高い(と言っても30パーセント台ですが)数字を叩きだし、3年間のうっぷんを晴らすかのような新閣僚の張り切りようです。さすがにマスコミの一部ではこれは少しヤバイとばかりに、安倍内閣の経済政策にやや批判的な論調を掲げ始めていますが、矢継ぎ早と言ってもよい幾つかの景気浮揚策は、その実効性はともかくカンフル効果をもたらすことに違いなく、しばらくは世論調査やマスコミと新政権との“蜜月”は続くのでしょう。
アメリカのあるメディアが、「安倍首相は深く考えもせずに経済政策を打ち出している、しかし今のところは失敗していないようだ」といった意味合いのコメントをしていると聞きました。“結果オーライ”ということで誉めているのか、それとも揶揄して貶しているのか理解に苦しみますが、先行きが不透明であることは間違いないようです。
私のような一介の老人が何を考えようと何を言おうとも、何の意味も影響もないのですから、もう“お手並み拝見します”と黙って見ているしか能がないのですが、どうも世間と益々ずれてゆくわが身を改めて感じている昨今です。
PS  明日は休みます。
 
 じっと 天を見る