オピニオン雑誌のこれから

朝日ジャーナル」や「週刊金曜日」、「世界」、「文芸春秋」や「潮」、「諸君」辺りもオピニオン雑誌というジャンルで括られるのでしょう。もっと他にも有ったような気がしますが、ほとんど読まないし、手に取ることさえ稀な雑誌も多く、「朝日ジャーナル」が廃刊になったのは知っていますが、他の雑誌はどうなっているやらというレベルの知識しか持っていません。どの雑誌も青息吐息のようにも見受けられますが、けれど、その手の雑誌が発行されていることが何か安心というか、“今日も大丈夫”という気持ちにさせてくれます。
毛色の変わったところで、「暮しの手帖」という雑誌はいわゆるオピニオン誌ではありませんが、常に独自の見識をその雑誌に掲載していました。この雑誌は広告収入によらない経営方針を持ち、商品のテストや紹介、新しいライフスタイルの提唱などを売りにした雑誌です。御多分にもれず、発行部数の減少に苦労しているようですが、健闘をたたえてよい雑誌です。
週刊誌や月刊誌という読み物は、写真や派手な煽り記事、ヌード、ゴシップなどが無ければ売れないものと相場が決まっています。そんな中で、言ってみれば硬い内容の、字ばっかりの雑誌が、廃刊の憂き目にあわずに存続すること自体が、今となっては稀有であり、この国の知的な部分の存在の証とも思えます。
やはりオピニオン誌とは言えない雑誌で、カタログ誌でもある「通販生活」という雑誌があります。雑誌名の通り、通信販売を目的とする雑誌ですが、これも「暮しの手帖」同様に月刊ではなく季刊誌で、その時々の問題を取り上げた特集記事を満載しています。本業の通販より力が入っていると思えるほどの内容で、価格も安い(一冊180円)ことも魅力な読み物誌となっています。
暮しの手帖」といい「通販生活」といい、本業以外のところでさりげなく主張を開陳するやり方は、これからのオピニオン誌の一つの方向のようにも思えます。
 
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