復古調

「骨太方針」、「経済諮問会議」、竹中平蔵・・・とくると、これはもう小泉政権の再来とも言うべきことで、おまけに公共事業の大盤振る舞いとなれば、一過性の景気浮揚でもよいから何としてもほしい自民党の、頼るべきところがそこかよと言った、何とも新鮮味の欠ける先祖がえり内閣の様相です。経済界ももろ手を挙げて賛成のようですし、“安く安定したエネルギー政策イコール原発”という図式も間もなく復活することでしょう。
様々な国内問題を私たち国民の目からそらす意味から言っても、オリンピックはその“歴史的使命を”果たすに格好のイベントです。前回の東京オリンピックでは、経済成長と「日韓条約」の批判をそらす目的も重要な課題であったと言います。今の重要課題は前回同様に経済と、原発地震という出来ればあまり関わりたくない問題が未解決のまま横たわっています。今年決定されるオリンピックの開催年は2020年ですが、開催が決まれば公共事業と原発再開の大きな弾みになること請け合いです。猪瀬新都知事はそこまで読んでいるかどうか知りませんが、周りの取り巻き連中やスポーツお馬鹿たちの無責任ぷりにも、少しは自分たちのやっていることの意味を考えてほしいものです。まあ無理かとも思いますが・・。とにかく、自民党復古政権と軌を一にした動きであることは間違いのないようです。
それにしても、経済界や金融界は自民党が好きなようで、兜町や大手町周辺は何やら急に色めきたっている様子です。為替相場も急速に円安方向へ走り出して、あれよあれよと言う間に1ドル90円を伺うところまで来ています。急激な株価の上昇と円安は、海外のヘッジファンドによる投機的動きと連動しているようですが、大盤振る舞いの後のツケをだれが払うのか、冷静になって考える時はまさに今だと思うのですが。
 
 足りて知る