オリンピックより文化的な取り組みを

「動物愛護センター」という屠場で、毎年数十万頭の猫や犬などが殺されています。白状しますが、私はその「センター」に行ったこともなければ詳しい知識も持ち合わせていません。TVや新聞などで仕入れた断片的な知識しかないのです。ですから、あまり偉そうなことは言えず、あくまで控えめな物言いというレベルでお聞きください。
オリンピックにどれだけの費用が掛かるのか、これもよく知りませんが、前回失敗した時でさえ、招致のための費用に100億円上もの金額がかかっています。おそらく実際に開催ともなれば数千億円もの巨額な予算が組まれ、ヒトと金が飛び交うのでしょう。すでに電車の中の“吊るし広告”などには、テリヤキだかテリーなんとかなどという訳のわからない親父が、東京人面をして醜い顔をさらしていますし(なんであんな不細工な顔があちこちに出る訳、気持ち悪いから止めてほしい)、都立公園には“夢を何とか・・”という横断幕が掲げられています。もうすでにかなりの金額(税金)がオリンピック招致のために使われているのです。
私たちの国は先進国と言われていますが、先進国とはお世辞にも言えない部分も又少なくありません。女性の社会進出度や都市の基本とも言われる共同溝の整備は、欧米先進国と比較すれば一歩も二歩も遅れています。“ペット”と言われる動物に対する社会的な取り組みもその一つです。悪質なペットショップでは動物を単なる商品としてしか扱わず、商品価値を無くした動物は廃棄処分すると言われています。業者に限らず、最初にも言いましたが毎年数十万頭の猫や犬が“愛護センター”という屠場で殺され、私も含めてその現実に一切関わろうとしていない社会なのです。
オリンピック招致に関心がある国民の割合が60%をやや超えた数字と言います。私は以前よりオリンピックに懐疑的であって、したがって招致には否定的であり、他にすべきことが山のようにあると思ってきました。「ペット」と呼ばれる動物たちが、ヒトの都合で殺されることを止めさせることもその一つです。オリンピックにかける金額の半分もあれば、この問題は解決するでしょう。オリンピックを開催することと動物たちの命を守ることのどちらが文化的と言えるのか、先進的と言えるのか、60%を超える人たちに聞いてみたいものです。
 
 私の仲間を殺さないで