失業を考える

当たり前のことですが、ヒトは労働することで生活の糧を得ます。もちろん働かなくても食べていける人もいますが、限られた少数のいわゆる“恵まれた”人たちだけです。一般的にはヒトが労働することで社会が成り立っていますから、働くことがスタンダードと言うか、通常の形と言えるでしょう。
ところが日本も含め、先進国では慢性的に失業が社会的な問題となっており、特に若年層の失業が深刻で、一向に解決のめどさえ立たない状況が続いています。原因ははっきりしていて、安い労働力を求めて生産拠点の海外移転が進み、その結果として産業全体の雇用能力の低下が起きているのです。よく言われる“産業の空洞化”という現象です。
で、この辺りのことは私のような素人が知ったかぶるよりは、専門家が山のようにいますから詳細については省き、じゃあどうすればいいかと言う、現実的な課題についての一方的かつ独善的見解を開陳したいと思うのです。曰く、「鎖国制度」を導入するのです。
生産拠点の海外移転は、国際競争力の維持やらという利潤確保のためですが、早い話、資本主義が不均等に発達する宿命から来ているとも言えます。だから、TPPに代表される国際自由貿易なるシステムは、先進国の失業の解消には全く無力な訳です。自国の産業を保護し、国内の雇用を確保するには全く反対の貿易システムが必要です。GNPの増大など経済成長を継続することで国の豊かさを追求する戦略は、安い労働力を提供する経済格差と大量消費をする浪費社会が前提となります。現在先進国で起きている不況や失業問題は、まさにそういった仕組みが破綻しかけていることに原因しています。だとすれば、経済格差や大量消費をあてにしない仕組みを構築すればよいのであって、経済は基本的に自国内で完結するシステム、「鎖国」が最も有効と考えるのです。具体的には、関税を各国間で採用し、為替レートの固定化を図るのです。「貿易自由化」なんてバッカじゃないのというラインです。大量生産によって発生した余剰生産物を、他国に売りつけて稼ごうなどという邪な考えと決別するのです。“じゃあ、日本みたいに原材料が無い国はどうすればいいのか”と言うご質問には、次回にお答えします。    つづく
 
 私は働いてないから失業はしない