河あるいは川

インターネットには“グーグル・アース”という便利なものがあり、居ながらにして世界中の街や大地を眺めることが出来ます。ちょうど飛行機の窓から下を見るような気分でPCの画面を操作すれば、行ったことのない、行ける可能性もない所だって瞬時に連れて行ってくれます。この頃ではそれほど頻繁に見ませんが、グーグル・アースが見られるようになった最初の頃は、解像度も悪い画面も小さいPCでよく見ました。有名な都市や異国の街並みを俯瞰して見る新鮮な驚きは、「こんなものがタダで見られるなんて・・・」とただただセコク感心したものです。また河川が蛇行し流れる様子は動物の血管と同じように見え、ヒトの体も地球も同じメカニズムで出来ている、と考えてもおかしくないほどの類似性を感じました。
それにしても、私たちの国の河川は短いとその時改めて思いました。お隣の揚子江黄河はもちろんのこと、ミシシッピーやライン、ロシアのボルガなどとは比べるのもおこがましいほどのささやかな流れで、細長い国土を脊梁山脈が二つに分けていることもあり、山から一気に流れ落ちる滝といった河川が多いようです。川幅が広く対岸が霞んで見えない黄河揚子江(見たことないけど)からすれば、小川でしかないほどのスケールです。河川に限らず私たちの国のもろもろのスケールは、大陸のそれと比べるとやはりちまちましているようで、自然環境が与える影響はそこに住む生物に現れるという原則が、大変よく感じられたのがグーグル・アースで見た河川だったのでした。来日した外国人が瀬戸内海を見て、“日本にも広い河があるな”と言った話を何かの本で読んだことがあります。“お前 おちょくっておるんかい”と思わなかったこともないのですが、揚子江(見たことないけど)などと比べられると、そう見られても仕方ないかと思ってしまいます。
“河”が大河、“川”は規模の小さいものを指すと昔聞いたことがありますが、してみるとこの国の河川はみんな“川”であるようです。血管と同じで細く短いと詰まりやすいからダムみたいなものは極力造らない方がいいでしょうね。ところで、八ツ場ダムってまだ造るんですか?
 
 祟りじゃ 神の祟りじゃ 関係ないけど