自己顕示欲

自分を目立たせたいと思うのは、ヒトを含めた動物の本能に由来するものであろうと考えられます。赤子が泣き叫ぶのはその最たるものです。生きてゆくためには自分に注目を集める必要があります。泣き声だけでなく、仕草、形どれをとっても親や周りの関心を誘う効果を狙っています。もちろん目立つことがマイナスの、危険な効果をもたらすこともあります。しかし、全体的に見れば生存の方法論としては的を得ていると言えるでしょう。
生命活動の初期以外では生殖活動期が自己顕示欲のピークとなるではないでしょうか。ヒトで言えば思春期あたりからその傾向は強まり、青年期で頂点に達してしばらくダラダラと続きます。ただこれは個人差というか個体差があるので、特にヒトの場合は老人期に入っても自己顕示欲旺盛な個体も存在するようです。政治家、文化人、経済人などと言われる人達です。生命の本質は“遺伝子の引き継ぎ”というようなことをある生物学者が言っていましたが、その見解からすると老人期の自己顕示欲は目的外行動ともとれます。しかし一般的な自己顕示欲のピークが生殖活動期と重なるのは理にかなったものと言えます。
また、生殖と結びつかない細々とした顕示欲も、かなりの長い間ヒトの精神のなかにとどまります。このようにブログを開いたり、絵を描いてみたり、ボランティアに精を出してみたり、ヒトそれぞれで自分をアピールしようと試みる訳です。理由はよくわかりませんが、ヒト以外の動物では見られない行動パターンではないでしょうか。きっと欲が深いというか、諦めが悪いというか、どちらにしてもあまり褒められたことではないように思われます。こういった行動は社会的な流れとは無縁ですから、個体が消滅すれば跡形もなくなり、害がないとも言えなくはありません。例えれば“屁”みたいなもので、風が吹けば臭いも何もなくなってしまいます。“What I say!”
 
 貴女は顕示欲はなく凛としていますよ