災害列島

あっちでもこっちでも大雨が降ったり大風が吹いたり、おまけに大地は揺れるしで、もう天変地異の真っただ中にいるような気分のこの頃です。でもそんな災害も我が身に降りかかって来なければ対岸の火事で、気楽に暮らせるからほんとに不思議なものです。危険や災難とは紙一重の世を生きている実感がふつふつと湧いてきます。
しかし私も一昨日散歩の途中で、雨上がりの土に足を滑らせて手をつき、手首と肩が痛くて仕方ないという災難にあってしまい、油断をしてしまった、歳はとりたくないと後悔することしきりなのです。つまらないことですが。そこで、
“手は震う 足はひょろつく 歯は抜ける 耳は聞こえず 眼は疎くなる”などと我が身を思い、さらに
“身に合うは 頭巾襟巻杖メガネ 補聴器湯たんぽ尿瓶孫の手”と身の不幸の到来に嘆くのでした(引用した名歌は故井上 ひさしさんの「にっぽん博物誌」に出ていたものです)。
ほんとに歳をとるとあちこちが痛くなるもので、若いうちは“何を言ってんだか”と思っていましたが、これが我が身のこととなるとは・・・もう何とも情けない、語るは涙、聞くは笑いの御粗末で、ほんとこの国は災害列島です。
 
 転ぶなんて歳ね