フーコーの振り子

上野の国立博物館B1の一角にあるから見た人も多いと思います。地球の自転を直接見ることが出来る振り子です。地球の自転速度は赤道付近で約1,667km/hですから、とてつもなく早いのですが、不思議なことにその乗客の私達には動いている実感がなく、太陽の動きが自分達の移動を感じさせてくれる唯一のものです。しかし太陽をずっと見ている訳にも行かないのでフーコーの振り子の出番となった、という次第なのですが、国立博物館の振り子を見てもその動きは微々たるもので、音速をはるかに超えるスピードで動いている実感は伴いません。ヒトの守備範囲の狭さ、感覚世界の狭さだけがよく分かる、言いかえればヒトの理解しうる範囲などは地球単位になればほんの一部分、まして宇宙スケールともなれば、話にも何もならないほどの、ほとんど理解できないといった世界とも言えます。
来週の月曜日には、その地球の自転が天空で見ることが出来ます。金環食が東京をはじめ各地で見られるのです。まあ月も動いていますから、地球だけの動きと言う訳ではないのですが、ともかく結構な天体ショーが晴れれば見ることが出来ます。このショーを見るための飛行機も飛ぶようで、すでに予約は満杯の盛況とか、地上で見る私は当日の天気の具合を祈るだけです。飛行機で日食を追いかけるとなれば、雲にも邪魔されずかなりの長時間の観測が可能でしょうが、短い時間に見る貴重さもありますから欲をかかない謙虚さも必要です(負け惜しみですが)。フーコーの振り子を出さずとも、金環食がやってくると単純に喜べばよいのですが、それが出来ない周りくどさと言うのが私の悪い癖で、観測用の眼鏡も用意したし、あとは天気次第の運任せという、実のどうも頼りない今日この頃なのです。なんとか当日は朝からピーカンにしてもらえないでしょうか、神様あああ!
 
 天に祈るのよ