続・記憶

 突然頭の中にフラッシュバックが起こり、昔の記憶がよみがえる時があります。まったく関連も無しに起きることもあれば、なにかをきっかけに起こることもあります。どうでも良いことであったり、想い出したくないことであったり、そしてたまには楽しい思い出であったりもします。ヒトの記憶装置は大変な高性能で大容量のスペックを誇りますから、一説によると生まれてからのすべての事柄を記憶しているとも言われ、なにかのきっかけで突然よみがえることもあるのだと聞いたことがあります。
 記憶を無くしたヒトの話を映画やドラマはよく登場させます。あれは大分脚色されているのでしょうが、実際に記憶喪失というのは起こるようで、収賄事件などで「記憶にございません」などというのは論外としても、事故や恐怖を伴うストレスを経験した時などに記憶の喪失が起こります。身体の防御反応の一形態と考えられるらしく、喪失した記憶は後に回復したりしなかったりで、様々なケースがあるようです。過度の飲酒による記憶喪失もあり、私の知人でどこからか落ちて肋骨を骨折、その後家に帰り翌朝起きてやっとその事態に気付くまでの記憶がまったくない、といった人がいました。かなり飲酒をしたところまでは覚えているのだが、とその人は言っていましたが、その後“これはヤバイ“と考え断酒しました。賢明な判断だったと思います。同じように酒を飲んで記憶がないふりをする人もよく居ます。あれは知っていて知らないふりをするだけのようですから、記憶喪失とは言えない理性喪失の類でしょう。世間ではこのケースが良く有るようで、酒を飲まない私には出来ない芸当で羨ましく思うこともあります。
 猫は一時記憶しかないと学者先生は言っています。しかし、うちの方をみている限り記憶力はかなりのもので、隠しものは彼女の見ていないことを確認してからでないと、あとから探し出してしまいます。当然、自分で隠したものを探し出してきて見せに来ることもあります。あれはきっと一時記憶しかないのではなく、自分の都合を最優先するあの種族の特徴が、学者先生の目を謀ったのでしょう。
 「認知症」という病気は記憶障害の一種なのでしょうが、罹りたくない病気であると思っています。しかしなってしまえばこっちのものとも言えますが・・・。
  
  私はヒトよりずっと記憶力いいわよ。それにボケないし.