瓦礫の行方

 東北3県の震災瓦礫を、助成金まで出してばらまこうとしています。昨年までは引き取り手が無く(いち早く引き取りを表明した住民無視の慌て者も居ましたが)、政府もこのままではメンツが立たないと判断したらしく、助成金やキャンペーンを張って盛んに自治体へ引き取りを促しています。“原発誘致の助成金と同じ”と誰かが言っていましたが、その通りと思います。
 処理能力をはるかに超えた瓦礫が被災自治体に野積みされていることは承知しています。しかし、高い運搬費用をかけて日本全国にばらまく必要が何処にあるのか甚だ疑問です。まず当該県と被災地自治体が、この瓦礫処理あるいは再利用を含めた再開発計画を立案すべきでなかったでしょうか。“復興”の掛け声ばかり目立つ被災3県ですが、自力で瓦礫処理するぐらいの知恵が無くて本当に復興など出来るのかと思ってしまいます。震災により地盤低下や水没してしまった土地の処遇、防潮堤の再建なども含め瓦礫の再利用などを考える余地がなかったのか、どうも安易な方向ばかり流れていると思わざるを得ません。
 政府がキャンペーンまで張って瓦礫ばらまきに奔走するのは、支持率低下が止まらない落ち目の内閣の悪あがきの中で考えだされた愚策でしょうし、一体何処にそんな余力があるかと思うほどの復興予算ばらまきの一環なのでしょうが、それらのツケを払う身にとっては“ちょっと待ってくれよ”と言いたくもなるのです。近県で廃棄物処理に余力のある自治体が受け入れるのは当然としても、わざわざ長距離輸送してまで処理するメリットがあるのか、嘘くさい“絆”キャンペーンに踊らされた猿芝居のように思えてなりません。
 わたくし個人的には、瓦礫を利用して海沿いに台地を造成し、新たな街を創ったらよいと思うのです。地権やなにやら面倒な問題はこの際全てチャラにして、土地利用権を旧地権者に付与すれば如何でしょう。いつ津波地震で無くなってしまうかもしれない土地などに、もうしがみ付くことをそろそろお辞めになるよい機会だと思うのです。
蛇足ながら申しあげますと、福島第一原発周辺に放射性廃棄物の集積所を作り、周辺一帯の地域は廃村、廃町、廃市とし、原発事故モニュメントとして保存したら更に有意義と思われます。
    
    あ!それいい案かも・・・