除染の効果

福島県内の高濃度汚染地域に対する除染作業が本格的に始まるらしい。すでに自衛隊による役場などの先行的除染が開始された。この除染についてどのくらいの費用がかかり、どのくらいの効果が期待できるのか、費用対効果の明細ぐらいは公表して欲しいものだ。
一般的な見解では高濃度の放射性汚染の除染は、費用対効果からみるとメリットに乏しいと言われている。他に効果的方法がないからという消極的策、もしくは住民に対するアリバイ的効果を狙った策とも思える。仮に一部除染された地域が出来たとしてもそれは点と線のレベルであろうし、その程度の除染で住民の生活が再開出来るとは思えない。どうも闇雲に税金をつぎ込みその結果については出たとこ勝負、ヤケクソ、他人のフンドシ頼り、見通しまるで無しと言った状況に思えるのである。
30年前のチェルノブイリ原発事故でも深刻な汚染が起き除染が実施された。記録映像で見る限り現在と全く同じような方法で除染が行われていた。それで住民が住めるようになったとは聞いていない。今回の場合も専門家の間では、除染の効果は限定的で安易な希望的観測は住民の正しい判断を誤らせる、と警告する人がいる。たしかに何もせずに手を拱いているだけでは仕方ないことは分かる。しかし、高圧洗浄と表土剥離という“30年一日”の方法しか思いつかないのだとしたら、スリーマイルやチェルノブイリの経験が全く生かされていない、事故対策への準備をないがしろにしてきた国や電力会社の怠慢そのものであり、その実態の追求をかわすための泥縄対応なのではないのか。そのような場当たり的な作業に莫大な税金をつぎ込むことは直ちに中止すべきで、抜本的な対応策の確立に向けて(有ればの話だが)の取り組みを始めるべきであろう。
一度汚染された土地を元に戻すには、現在のところ時間の経過に委ねる外には適当な方法が無いのではと思う。5年もしくは10年かけてより良い除染法の開発を目指すか、そうでなければ土地そのものの放棄を真剣に模索すべき時ではないかと思う。

除染は気休めらしいって話よ。ん?私は爪とぎしてるんだけど・・・。