木枯らし

 やっと冬が来たか、と思わせる朝でした。このところ暖かな日が続いていたので、小春日和に慣れてしまった身体が少しびっくりするくらいの寒さでした。北の方では遅い初雪の到来があったようです。
 空気が乾いて枯れ葉がかさこそ飛び、陽の光がキラキラと輝くような時は、何故か気持ちがざわつきます。昔からなんですよね、このざわつきは。どう表現すれば良いのか、上手く言えないのですが、木枯らしが舞うような天気の時は決まって感じるのです。夏の明け方に突然涼しい空気が上空に入り込み、秋のような気配を感じる時も同じような気分になります。きっと山の記憶と繋がっているのではなどと思っていますが、なんとなく落ち着かなくなります。
 手紙というものが身近から縁遠くなって久しくなりました。そろそろ年賀状の声も聞かれますが、あれは手紙とは少し違う気がします。やはり封書やはがきに字がいっぱい書いてあるものが手紙らしいと思えます。陽だまりの中で手紙を書いたり読んだりするのは、何処となく寂しげな感じもしますが、落ち着いた雰囲気も醸し出します。大人の情景といったところでしょうか。私の場合などは老人の哀れを誘う景色と言われそうです。木枯らしの良く似合う景色でもあります。

aware wo sasou nante sorehodo fuzei mo naidesyouni