山茶花

 遊歩道に植えられた山茶花が綺麗な花をつけています。
“さざんか さざんか 咲いた道 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き・・・”と言う歌が思い出されますが、今ではめったに耳にしません。「小学唱歌」が無くなった?らしいことは聞いています。たしかに、小学校で習う歌としては相応しかったかどうか議論の分かれるところですが、旋律も歌詞も上等なものが多かった気がします。もう小学校の教科書などは見る機会も無くなり、どんな歌が学校で歌われているのか見当もつきません。
 音楽という分野を教育の中に取り入れたことは、実学のみに偏っていた戦前の日本の教育制度の中では、稀有とも言えるものであったと思います。戦後の教育改革の柱に情操教育の充実があり、なかでも音楽教育はその中心的役割を担ってきたと言えます。残念ながら専科教員の不足や環境整備の不備で、必ずしも本来の目的が達成された訳ではないのですが、音楽が果たす役割については広く浸透したと思われるのです。“その結果がカラオケか・・・”と言われると身も蓋もありませんが、オーケストラを初めて聞いたのは学校の授業といった人も多かったのです。もちろん私もその一人でした。音楽の持つ高い精神性や情操観は教育の理念と一致するものであり、これからもますますその必要度は増してくると思われます。
 最初にも言いましたように、今学校でどんな歌が教えられどんな音楽教育が為されているのか知りません。しかし、TVやマスコミで流されるものを聞く限りでは、この国の音楽シーンはかなり低レベルなところを彷徨っているように感じられます。学校での音楽教育の実態を反映していると言えないでしょうか。いまだに専科教員の数は不足しているようですし、音楽教育の重要性についても認識がされてないのではと思います。「小学唱歌」の復活云々はともかく、一度戦後間もないころの音楽教科書を見なおしてみる必要はありそうです。

なにー さざんかあ・・・。