シャーロック・ホームズ

 ロンドン、ベーカー街の奇人であり天才でもある人物です。はじめて読むシャーロック・ホームズは、当たり前のことでしょうが大変面白い読み物です。すでにTVや映画で幾度となく観ていて主な話は大体結末を知っています。推理小説は結末が分かっていると面白さが無くなるのですが、さすが世界の名作は格が違うようです。有名な「まだらの紐」や「青い石榴石」などは結末が分かっていてもつい引き込まれてしまいます。
 シャーロック・ホームズ物と言えば、なんと言ってもジェレミー・ブレッドのTVシリーズが断トツで面白く、調度品や小物にも拘った丁寧な作りと主演のジェレミー・ブレッドのはまり役は、その後の“ホームズ”に追随を許しません。最近も映画、TVで新作が創られましたが、前出のシリーズに遠く及びませんでした。NHKで放映されたシリーズは吹き替え版でしたが、露口 茂の声がベストマッチであったのも幸いでした。いまでもDVDとなって販売されているようですが、高い人気の商品だそうです。
 私が今読んでいるのは「シャーロック・ホームズの冒険」(深町 眞理子訳)ですが、人気の作品を中心に収録したものですから、話の筋はよく知っているものが多いのです。にも拘らず、ホームズがワトソンに推理の説明をするシーンには思わず聞き惚れて?しまいます。考えてみれば、アーサー・コナン・ドイルというあまりに有名な作家について、私は全く無知であったのでした。シャーロック・ホームズのシリーズなどは子供の読む本と思っていましたが、大変な考え違いだったようです。ホームズの洞察と推理は表面的な観察では出来ない大人の仕事と言えるでしょう。南米ギアナ高地をモデルにしたと言われる「失われた世界」なども、機会があれば読んでみようと思っています。どうもこういった有名な作品はつい知っているような錯覚をしてしまい、読む機会を失するようです。本に限らず、知っているようで知らないことは山のようにあると改めて思っています。

何か用事なの ワトソン君。