失言 

 またか、と言いたくなるような大臣の辞任劇ですが、それにしても簡単に辞めるものです。国の主要機関のトップが、任命から半月も経たず、国会での挨拶も終わらないうちに辞めてしまうとは、なんとも軽い役職のようです。「失言」が原因ということですが、あの程度のことで辞めるのであれば、おそらく閣僚全員が、辞めなければならないくらいの傷は脛のお持ちでしょう。“万死に値する”とかなんとか自民党辺りが言っていますが、チャンチャラおかしくて笑ってしまいます。どうもあの界隈の生き物は、事の本筋が掴めていないようです。「失言」が辞職の原因となるとするなら、石原都知事などは「失言」製造機とも言えるほどで、もうすでに政界から姿を消していても良いほどの「失言」を繰り返しています。
 「言葉尻を捉えて・・・」といった攻め手がありますが、相手を追求する手段としては低級なものと言われています。要するに外に攻める手立てが考えられない時の下の策で、あまり意味のあるものではありません。今回の大臣、いや元大臣の発言が適切さを欠いたものであったことはもちろんなのですが、こと福島の話題になると腫れ物にでも触るような扱いとなる傾向は否めません。はっきり言って、原発事故によって高濃度汚染になってしまった町は、しばらくはヒトが住めない「仮死状態」の町で、除染などしても限度があることは明白な事実です。それをもって回った言い方をして問題を先送りしたところで、何ら解決につながらないのです。あるアニメの監督がyou tubeで“福島はもう人が住めない・・・”と発言していましたが、それに近い状況であることを踏まえた論議を、住民も行政もすべき時ではないでしょうか。元大臣の感想があながち的外れとは思えません。それを「失言」とするところに、渦中の本人もマスコミも政界も疑問を抱くべきです。

またなの・・・。