四文字熟語

 その昔、国語のテストにこの「四文字熟語」が良く出た。有名な珍答“焼肉定食”などが世間を賑わせたことも記憶にある。「四文字熟語」ゲームみたいなのをワイワイやった記憶もある。“モバゲー”とかで盛り上がるのとはやや違っているような気がする。
 もともとこの「四文字熟語」は漢文にその出典を見ることが多い。「四面楚歌」「酒池肉林」などのお馴染みな言葉が頭に浮かぶ。近頃では学校で漢文をあまりやらないらしく、漢詩などを暗記することなどはないのだろう。漢詩は「四文字熟語」の宝庫であるから、それに接する機会が少なければ自然と「四文字」とは疎遠となる。私達がいま使っている言葉のルーツは、かなりの部分を中国の呉や漢の時代に求められる。国産の言葉を多いが「漢字」という言葉が示す通りその多くを中国から輸入した。自分達の使っている言葉の起源も知らず、言語の発達もあったものではないと思うのだが、今では英語の方が大切らしい。 
 ヨーロッパの言葉で最初入ってきたのはオランダ語であったという。江戸末期までは蘭語がヨーロッパ言語の主流だった。その後ドイツ語が様々な分野で幅を利かし、戦後はご案内の通り英語一辺倒となった。山登りを始めた時に装備や用語が殆どドイツ語だったことにちょっとした優越感を覚えた事がある。「ザイル」「コッフェル」「ハーケン」などなどドイツ語オンパレードなのだ。あれは登山が学生の中で始まり、ちょうどその頃の外国語の主流がドイツ語だったことによる。今は「ロープ」だったりするのだろう。漢語だってその昔は先進言語でかっこよかった時代があったはずだ。唐帰りの洒落た留学生(るがくしょう)などが肩で風を切っていた頃のことだ。「四文字熟語」がその当時から流布されていたかどうかを知らないが、四文字の中に様々な背景が読み取れる便利で奥行きのあるこのアイテムは、もっと見直されて良いものの一つであろうと思われる。「NYPD」では機能的であっても趣に欠ける。

さてと ふさわしい四文字熟語は・・・。(金峰山からの富士 11.sep)