生命の仕組み その4

 この稿の最初にも書きましたが、生命の複雑さには呆れかえるほどの入り組んだ仕組みが施されています。その生命体のもととなる細胞は、考えたり喋ったりしませんが意思を持つかのような働きをします。細胞膜で囲まれた内部にはいくつもの機関が働き、常に外部と連絡を取り、生命体に必要な様々な物質を生成したり分解したり、まるで化学工場であるような印象を受けます。またニューロンと呼ばれる神経細胞は、軸策という送電線のような長いケーブルを四方にめぐらせて、体の各部から送られてくる信号を受けたり、脳から発信される信号を流したりします。細胞はその置かれた場所で各自が特化した機能をフルに作動させます。まさに細胞一つ一つが意思を持って活動していると思えるのです。
 ヒトの細胞のスケールは100分の1ミリの単位の世界ですから、かなり高価な顕微鏡でないと本体を見ることは出来ません。模式図などでは単純化された内部の機関が描かれますが、電子顕微鏡写真を見ると細胞内部はとても複雑に入り組んでいて、また内部機関も複雑な内部構造を持つ重層な構造体なのです。こんなに微細で複雑なものが60兆も集まり一つの生命体として活動する、この不思議さはどんなに驚いても驚き足りないほどの驚異的出来事と言えます。最初の疑問“なんでこんな複雑な仕組みを・・”は、とても答えが出そうにありません。

そろそろ同じ話にも飽きてきたわね。