花のいろは うつりにけりな いたずらに

 “わが身世にふる ながめせしまに”とつづく有名な歌ですが、これも時間の変化を感じさせるものです。“咲いて散る間に舞台は変わる”などとも申しますし、“ゆく河の 流れは絶えずして しかももとの水にあらず”などなど時間の移りゆく様をヒトは「無常」、「はかなさ」といった感情をこめて表現してきました。時が過ぎ去ってゆく、戻らない時間、“貴方にあげた 夜を返して・・”と歌っても無理な注文と分かっていて、なおかつヒトは流れていった時間に未練たらたらなのです。
 記憶が一切残らない病気があります。「記憶障害」といった病名で括られていますが、よくドラマでやられる「記憶喪失」や「痴呆」「アルツハイマー」などの外に、脳の記憶中枢がやられてしまう病気など症状も発症もいろいろあるようです。そういった病気に罹ったヒトの時間はどの様に経過するのでしょうか。そもそも時間という概念は通用しなくなってしまうのかも知れません。まあそう遠くない将来には、私自身がボケて時間の無い世界に居ることも考えられますから、その時が来れば分かる事柄でもあります。しかし、惜しむらくはその時の私にそういったクエスチョンが生じるかどうか甚だ疑問であるので、回答にめぐり合うことは極めて稀であろうと推察は出来ます。
 さて、今週も終わります。先週から時間に絡めて与太話を書いてきましたが、来週からは心機一転グダグダ過去などに捉われずに前を見据え、過ぎゆく時間などには目もくれずにゆきたいと思いま・・・・・すかねえ?。

花のいろ ってわたしのこと?