時間つぶし

 ヒトはいろんな形で時間を使います。経済的理由で時間を使う場合は必要に迫られての消極的な利用法ですから、やや楽しみに欠けるといったものになることが多いようです。そういった使い方は、休日なども自分本位にだけ時間を使えることが少なく、雑用や休養に当ててしまうことも多いので、「俺は何のために・・・」などと哲学的思いに捉われたりもするようです。
 そんな時期をやり過ごし、やっと自分のためにだけ時間を使える時がやって来ます。しかし一般的には年齢も体力も大分下り坂の頃になっていますから、出来ることとやろうとする意志がかなり限定的になってしまっているのは否めません。それでも残された時間を好きなように使える解放感は何物にも代えられないものです。そういう結構な身分になって2年目、なぜか時計の周り方が速くあれよあれよという間に1週間が過ぎてゆきます。特別何かしているとか計画的に暮らしているのではないのですが、時計はくるくる回り時間をつぶすことに苦労するといった事態は避けられています。相対性理論では動きが速くなると時間が遅くなると言いますから、時間が速くなるのは動きが遅くなってきたからかも知れません。歳降るにつれて動きが遅くなるのは世の常で、その動きが止まれば時間は無限大に速くなるのでしょう。無限大に速くなる時間は静止状態と同意だから理屈はあっています。
 しかし考えてみると、このブログなどは時間つぶしの何物でもないようなもので、こんなものを書いて眠くなったら寝ているような生活をしているから、時間が速く過ぎるのではなく、寝ている時間が長いから一日がすぐに終わってしまうのだと思い当たらないことも無くは無いのです。けれどそれはそれで解放感のなせる技とも言え、結構な時間の過ごし方と思うケダルイ午後(これ午後に書いた)でもあるのです。

止まった時間