人気のない本

 図書館の書架にいつも有って殆ど借りられてない本がある。その反対に目録にはあるのだが書架には無い本もある。私はどちらかと言うと前者の本を読むことが多い。理由は簡単で借りやすいからだ。人気の本や新刊は予約を入れたりなにやらで煩わしい。それに世間で話題となっている本で読むべきものも少ないように思える。
 「土星の環」という題名の本もどちらかと言えばいつも書架にある本の一つだ。前に一度借りたのだが、最後まで読まずに期限が来てしまいそのままになっていた。しばらくぶりでまた借りて来た。W・G・ゼーバルトという作者の名前は私にとってはあまり馴染みがない。ドイツ生まれでイギリスに暮らしていたという。すでに故人で著作数も少ない。この本の副題は“イギリス行脚”となっているから紀行文のようなものだが、ただ名所旧跡を紹介するような本ではないので“散文”といったジャンルかもしれない。題名が変わっていたので最初は借りたのだが、二度目は読んでみたい本として借りた。それもじっくりと味わいながら読んでみたい本として借りた。読み終わった後で買っても良い本として借りた。ヒトの好みは様々だからこんなこともある。

にゃん子も様々・・・。