萌えいずる春になりにけるかも

 大変良い陽気になってきました。散歩の途中の山桜も今が盛りと咲いています。ソメイヨシノと違い色は地味ですが、すこし大きめな花と若葉との取り合わせが気に入っています。山桜は葉が先に出るので“出っ歯”とか“野暮”などと悪口を言われますが、若葉が花を引きたてて絶妙のバランスを保っています。他人様から悪口を言われるような姿形ではありません。むしろソメイヨシノの花のみの単調さから一歩先んじているとさえ思えます。花だけだと“萌えいずる”といった形容にいま一つ足りないのです。若葉と一緒になって初めて“萌えいずる春・・”としっくり落ち着くのです。
 これから二月ばかりは桜の後も花や新緑が続き外を歩く楽しみが増えます。

山桜の道