気の遠くなる話 その2

 以前書き始めて途中でとん挫したネタの焼き直しです。
あの時、4つの力がどうしたこうしたということを踏まえて、実生活との関わりの希薄さを考えてみたかったのですが、4つの力そのものがよく分からないという事実にあらためて気づき、“こりゃだめだ”と投げたのでした。あれからこの話題についてはすっかり忘れていて、したがって特に進展も何もないのですが、ネタ切れということもあり再度登場させた次第です。
 4つの力とは物質間に働く力のことですから、おそらくこれが理解出来れば物質がすべて理解できるはずです。“なぜ原子や分子がくっついて形が出来るのか”“なぜ宇宙が出来たのか”“なぜ・・・・・”もうやたらおおくの“なぜ”が分かるはずなのです。そして“これからどうなるのか”といった疑問にも回答がもたらされるに違いありません。世界中のとびきり上等な頭脳達が、四六時中考えているにも拘らずいまだ結論が出ないこの世界は、私のような素人が付け入る隙がない世界でもあるのです。しかし分からないことは興味の対象としては第一条件ですから、野次馬の一人として本を読んだりメディアを覗いたりするのです。そうしておそらく見当違いな推論を勝手に想像(創造ではなく)し、“何だそういうことか”などと半可通な状態に陥るのが関の山ということも承知で時間を潰しています。
 「人はどこから来て どこへ行くのか」という題名の絵を描いたのはゴーギャンであったと思いますが、画家に限らずこの命題は多くの人の心を捉えています。文学の世界では昔も今もこの命題が作家の飯のタネになっていると言っても過言ではないでしょう。量子物理学や宇宙物理と言った理系の最先端部分と、ヒトの心の内面に向き合う文学や絵画の興味の対象が同一であることは決して偶然ではなく、ヒトという生き物の根源的欲求に根差した命題なのかもしれません。しかしそんなことが分かろうが分かるまいが「それでも地球は回っている」のだし、いずれ絶滅してしまう“種”の悪あがきとも思える所業なのですが・・・、やはり気の遠くなる話でした。

なあに 何か言った?