食料について

 食料自給率の本を読んだと先週書きました。その絡みなのですが、その本によれば「農業は儲からない」と言っています。私は以前に土地を借りて少しでしたが野菜などを作ったことがあります。100坪ほどの土地でしたから農業とは言えないレベルでしたが、まったくの素人の仕事ということは考慮しても、かなり高い費用のかかった野菜になった記憶があります。もちろんこの程度のことで農業云々は出来ませんが、天候や害虫に左右される作物は、安定した収入とは結びつかない要素があることは理解できました。
 “自分の食い扶持は自分で”と思っても全て自分で作る訳にはいかないのですから、現実には第三者が作ってくれた作物を食料とします。生産者と消費者という関係が成立して、世界中がそのシステムの中で動いているのですが、儲からない商売に従事する生産者はいずれなくなります。「農業が儲からない」となると誰がこの仕事に専従するのでしょうか。   日本の農業人口は約175万人と言われ、耕地面積が465万ヘクタール、一戸当たり2.7ヘクタール(「食料自給率の罠」による・2007年調べ)らしいので、農業に従事する戸数は約172万戸となります。つまり一戸当たり1人程度しか農業していない訳で、これは殆ど「3ちゃん農業」もしくは兼業農家という現実が浮かび上がって来ます。事実私の知っている農村地域ではほとんどが兼業です。これらから推察できることは、「農業は儲からない」が間違ってはいないことではないでしょうか。明治時代の統計によると、初期の農家は550万戸、農民数は3000万人と言いますからこの100年余りで農業人口は激減しているのです。
 食料自給率をああだこうだ言う前に、食料を作る人が居なくなってしまうことが現実化することだってあり得るかも知れません。

どうでもいいけど 私の分は確保してね!