異常気象と自分の食い扶持

 今年の気候は分かりやすい性格のようで、立春が来たらとたんに暖かくなってしまいました。この調子で行くと3月は春爛漫となるのでしょうか。暦通りに季節が進むのは望ましいことなので、このまま行っていただきたいと考えるのですが、“そう問屋がおろさないからね”と週末辺りから寒波がやってくるとも気象予報は出ているからどうなることやらと言ったところでしょうか。
 それにしてもここ一年程の天気の調子はかなりメリハリが効いているとの印象があります。これは日本だけでなく世界中で同様らしく、「記録的」といった言葉が慣用句となるほどの気象現象が、頻繁に起きていることからも裏付けられるのです。そしてそれらの気象の動向は、作物の生育や収穫に大きな影響を与えていると言われ、食料品の値上がりや景気にも少なくない影響が出ています。もちろんこういった動きの背景には投機マネーや新興諸国などの消費動向が関係しているのでしょうから、ことは単純に気候のせいにばかり出来ないのですがやはり天気と農業は切っても切れない関係であるのです。
 異常気象が頻繁に続けばその気象が平常になる訳で、生活やモロモロをそれらに合わせて変えていけばどうにか乗り切れるものであろうと思います。しかしそういった切り替えは一朝一夕に出来る訳でなく、計画的に段階を経て進めなければならないでしょう。なかでも食糧問題は中国やインドの生活向上に伴って予想される総量不足が現実化しており、これが気象変動と重なることによってさらに深刻化する事態が予想されます。「自分の食い扶持は自分でどうにかする」という当たり前のことをまず国単位で打ち立てることが急務だと思うのですが、呑気に自由貿易などと言っておられるどこぞの政府は、やはりかなり的を外していると考えざるを得ません。TPPの推進国であるアメリカ、オーストラリアはともに世界でも有数の農業国でもあるのですから、そこと肩を並べて勝負することはとんでもない賭けと思います。

どうでもいいから 私の食糧は確保してね。