無題

 今年の冬は例年になく寒く、東京はカラカラに乾ききってそれでも別にこれといって不都合なことはあまり無く、その内暖かくなるだろうとせいぜい室内に加湿器をつけるかどうか程度の心配で済んでいます。太平洋側がカラカラになっていれば必然的に日本海側は雪が降り続き、屋根の上から道路から積もった雪がそれこそ山のようになって、毎日のように雪下ろしでヒトが死んだりしています。
 日本海側の冬の雪は今に始まったことではなく、おそらく日本列島が今のような形になった時からずっと続いている、言ってみれば年中行事みたいなもので、年ごとに程度差こそあれ毎年起こる決まり事でもある訳です。ある時期いろんな意味で話題となった日本列島改造論という本のなかで、日本の脊梁山脈を削り季節風をそのまま太平洋側に流せば冬の雪は日本海側に降らず、経済効果は計り知れないといった話をぶち上げたことがあるらしいのですが、そんな与太話ではなく日本海側都市改造計画みたいなものをなんで今までやらなかったのか、太平洋側にしか住んだことのない私としては不思議に思うのです。
 九州のほうでは山が噴火して大変なことになっているようですが、あの地方も秋になると台風が毎年やってきて毎年被害が出るようです。あそこも昨日今日に始まったことではない季節的行事に、どうも効果的な対応がされているとは言い難いように思われ、どうやらあっちでもこっちでも“じっと我慢の絆創膏”よろしく大和魂で耐えてしのぐ心意気のようです。
 しかし考えてみれば、この関東平野の端にある東京もいつ大地震に見舞われるか分からず、それでもそんなことは出来るだけ考えに入れずに、平気でバラック住宅に住み続けている“立て飢えたるもの”が大多数の地区ですから、そこに住む者が他所のことをあれこれ言う資格はないかもしれません。スカイなんとかという鉄塔の辺りなどは見るに堪えないほどの混みようですから、地震が来たらひとたまりもないのに皆さん安心して浮かれておいでです。

わあ顔暑い、日焼けしちゃう。でもわかってて止められないのよ 日向ぼっこ。