教訓

 阪神大震災が起きてから昨日で16年経ちました。過密都市を襲った大地震は、この国の都市が抱えている数多くの課題を浮き彫りにし、その後の都市計画に大きな影響を与えました。政府や自治体、国民はこの経験を生かし、地震や災害に強い街づくりを積極的に進め、今では安心して住める環境が実現されています。
 道路は拡幅され、無政府的に超過密だった住宅地は、整然とした街並みへと生まれ変わりました。阪神大震災時には道路を遮断して、緊急用車両の運行を妨げた電柱は地下に埋設され、老朽化した水道管やガス管は耐震用モデルに取って代わられています。また、危険な橋梁や安全と思われていた高速道路までもが再点検され補修が行われました。海洋プレートが沈み込むこの国の海底は地震の巣とも言われていますから、このような迅速な対応は当然と言えば当然のことなのですが、当たり前のことがなかなか出来ない昨今の風潮を払拭するものとして、高い評価を各国の災害担当者から受けています。
 今後予想される東海大地震関東大地震などに向けた予防策も、順次強化されて万全の備えになっていくものと思われます。無計画巨大都市と言われた東京は、地震や災害にも無防備な時代を克服して、新たな都市へと生まれ変わりつつあります。私達は安心と安全を手にしたと胸を張れる時が近いことに誇りを覚えます。
ああよかった。ん?

忍び寄る魔の影