5・7・5・7・7

 ご存知のように和歌を作る時の決まりごとです。七五調と言われるこのリズムは、私達にとってなじみ深いもので、和歌などとは関係ない日常の会話の中にもこのリズムが使われたりします。この五七五七七の頭のところを使ったものが俳句となったことはよく知られています。標語や口上、果ては啖呵などでもこのリズムを使うことが多いのです。
 残念ながら現代の私達は和歌を詠んだり、またそれを送ることで相手に気持ちを伝えたりする習慣は有りません。それらを楽しむことさえままならぬほど、縁遠くなってしまった生活を送っています。31文字で感情や思いを表現できる便利なアイテムは、千年の時を経た今でも決して古びていないように思います。大分前になりますが、俵 まちと言う才女がこれを上手に使いこなして話題となりました。男のほうは未だ彼女に匹敵する人物が出てきません。どうもこのところ、男は何かにつけて駄目なようです。
 百人一首藤原定家が選んだ、和歌の中でも馴染みのあるものが多い歌集ですが、これがパズルとなっているとして本を書いた人がいます。これもだいぶ前のことですから題名も作者も忘れましたが、31文字を使うことで、いろいろなことが出来るらしく、言葉遊びや謎かけ、からかい、ご政道批判まで、私達はもっとこのアイテムを注目してよいと思います。
因みに 「二つ文字 牛の角文字 直(すぐ)な文字 ゆがみ文字とぞ 君は覚ゆる」とは何のことだか分りますか。“恋しく(こひしく)”と言う言葉が隠されているのです。洒落てますよね。

57だか63だか知らないけど、要するにもう歳ね。