あかつきの行方

 金星探査機「あかつき」が金星周回軌道に入れず、そのまま金星を通り過ぎてしまったことがはっきりしたようです。火星探査機に引き続く失敗で、日本の宇宙開発技術の問題点が浮かび上がってきたとも言えるかも知れません、それは、奇跡的帰還で大騒ぎとなったつい先ごろの「はやぶさ」で起きていた作動トラブルに関わる部分で、こんかいも同様と思われるミスが現実となったことです。あの「はやぶさ」は“幾多のトラブルを乗り越え”とマスコミや関係者まで手放しで喜んでいましたが、結局のところトラブル続きの果てにやっと帰還できた訳で、本来の予定を全うできなかった失敗続きとも言えるミッションでもあったのです。それは要所急所の操作にかかる作動ミスが起こるという、言ってみれば初歩的とも言うべきトラブルではなかったのでしょうか。“素人が何を言うか”と言われそうですが、素人目にはそう映るのです。結果オーライで納得せず、個々の失敗の原因についての究明をおろそかにしないことが次の成功を生む、などと聞いたふうなことを言ってみたくもなるのです。
 もともと宇宙開発にどれほどの意義が有るのか、少なからぬ疑問を持っている私ですが、一般人の全く知らないところでとんでもない金額の税金が使われるこの手のプロジェクトは、フィードバックされる様々な技術との費用対効果も含め、もう少し透明性を持たせた取り組みにするべきではないでしょうか。
 それにしても「あかつき」はこれからどうなるのでしょう。宇宙開発事業団の担当者に夜明けは来るのでしょうか。

作動ミスなんて 私の場合はあり得ないのね。