進化論 その2

 進化についてはまだ疑問があります。サルからヒトに進化するときにヒトは体毛を無くしました。これは環境に適応する意味から言うと不利になるように思えます。何故なら肌を外気に直接さらすのは危険で、寒さや暑さだけでなく傷を負うリスクも増えます。にも拘らずヒトは体毛を無くしあえて過酷な条件で生きることを選択しました。これは自然選択の理論から言えば、いずれは淘汰されて無くなってしまう運命ではなかったのではないでしょうか。しかしヒトは繁殖しました、現在までは。進化のスケールは数十万年、長ければ数百万年のオーダーです。二十万年位ではまだ結論が出ていないとも言えるかも知れません。
 ただここである考えが浮かびます。ヒトがリスクを選択したことで受けるストレスはDNAにも影響を与えます。その結果様々な突然変異が発生しヒトの進化に拍車がかけられたという説です。その突然変異のいくつかがヒトにとって有益なものとなり、結果的に現代まで続く繁殖を維持していく原動力になったと言うものです。しかしこれもヒトがこのまま環境にダメージを与え続けていれば、ここ数万年で滅亡してしまう可能性が高いようなので、結局自然淘汰により消滅したこととなってしまいます。どうも地球本来の生き物であっても他の惑星由来の生き物であっても、ヒトは近い将来には居なくなる選択肢しか残されていないような気がします。それはそれとしても、進化の流れの中でヒトが生まれたことにまとわりつく疑問が、一向に解けないことには変わりありません。しかし百万年後に生存する知的生命体が、ヒトを単なる一系統の消滅した生物としてとらえることは充分に考えられ、その時の進化論ではヒトは全く話題にはならないかも知れません。

進化の果て