労働環境 その1

 ヒトは本質的に働くことを前提とした生き物らしく、マルクスエンゲルスなどによると「労働は人間が持っている本源的性質で、労働は喜びである」とか何とか言っています。確かに食料を得るためには身体を使うし、住むところを確保するにも身体を使います。そうやって身体を使うことが労働と言われれば、ヒトは労働するために生まれてきたと言えなくもないでしょう。しかしその反面ヒトは怠け者でもある訳で、食うに困らなければ働く意欲は起こらないし、生活と関係ないことにうつつを抜かすことはまま有るのです。だから今の若い人達の中に、ぷー太郎やフリーターと呼ばれる非正規労働者が多くいることは、決してヒトの道を外れた行いでも何でもないと思います。
 ところが、そういった若い人達の足下に付け込んで、雇用者が労働力を安く買い叩くことはあまり感心されたことではありません。小さい町工場や商店がちょっとしたお手伝いにと雇うならいざ知らず、れっきとした大企業が、派遣であるとか短期雇用であるとかの労働力買いたたきの走るのは、社会的犯罪行為であり労働者階級に対する挑戦とも言える訳でもあるのです。突然労働者階級なんて言葉を使ってしまい“私も古いなあ”と思いますが、適当な言葉が見つからなかったものでつい出てしまいましたけど、働く人達が自分たちの権利を守りまたは守らせるために、長い時間をかけて獲得した労働環境がズタズタにされて行くのを見るのは残念でそして歯がゆくてなりません。そしてもっと歯がゆいのは、それら雇用者側(換言すれば会社側、もしくは資本側)の動きに労働する側が効果的に対抗出来てないことなのです。                     つづく

私の本質は眠ることよ。
(訂正)昨日の中で「アフター・トエンティーズ・・・」とあったのは「アフター・トエンティー・イヤーズ」の誤りです。だと思います。