趣味

 私が慢性趣味中毒であることは以前に書きました。かなり悪性で、なんにでも手を出すのですが何一つものにならない、すぐ飽きる、その癖道具に凝る、買った道具を捨てられない、モノが溢れる、といった症状が一向に改善されないまま最後の時を迎えるのが運命でしょう。収集家と言う病気の人もいますが、後生大事に集めても本人が死ねば集めたものは殆どガラクタで、葬式の後にはゴミとして出されるか、仮に高価なものであればリサイクルショップに捨て値で売られるのが関の山のようです。決して、故人をしのんで…といった展開は期待できない仕組みとなっています。
 私も収集家ほどの重病では無いにしても、やや収集癖に染まったことが有ります。その時は「ナイフ」と「伊万里の染付」に目の色を変えました。ナイフはいわゆるスポーツナイフと言うジャンルのもので値段もピン切りです。カスタムナイフだと100万円を超えるものもざらで、流石に私もそこまでは手を出さなかったのですが、すれすれの処に身を置いた経験が有ります。今は刃渡りが5センチを超えるといろいろ規制が有り、売ったり買ったりするのも、所持するのもやたらと面倒らしいのですが、私が病にかかった頃は“飛び出し”以外は普通に買えました。バタフライナイフというのも店頭に並んでいた頃です。何でもかんでも規制するのが好きな国です。
 伊万里は当時でもかなり高価で、私のような貧乏人にはなかなか手が出せる代物ではありません。けれど疵のあるものや修理されているものは比較的安く買えました。また、伊万里ではないのですが印版手?(確かこの字?)の食器はまだ廉価だったので気軽に買って普段使いにしました。山やスキーなどに行った時には古道具屋を覗き知ったか振りで買ったこともあります。“大化け”と掘り出し物などは普通無いと言いますが、1万円程度のものが1千円程度で売られる“小化け”は時にあるようです。私も一度だけ有りました。しかし鑑定してもらった訳ではないので本人がそう思い込んでいるだけなのですが、とにかくいずれゴミとなるのは必定でしょう。

趣味もいいけど ガラスの上は冷たくていいわ!