出不精

 久方ぶりに風邪などを引いてしまうというバカではない証明を体験し、日長一日を寝たり起きたりというグタグタ生活を送っておりました。特段熱があると言う訳ではなかったのですが、何となく体がだるく寒気もして、何をするのも億劫という、まあよくよく考えてみればあまり何時もと変わらない状態が一週間ほど続いて、やっと平常に戻りつつある今日この頃となりました。
 思うに、近頃はかなりの出不精で、月一で山に出かけることなどの外は人混みに出ることが極端に少なくなりました。そのせいなのか風邪などとんと罹らず、健康な毎日を謳歌していると考えていた矢先に、足をすくわれたような、災いは忘れたころにやって来るとの例え通りのシチュエーションとなって、たまには人混みに出て様々な細菌を浴びないと体に悪いのかしらんなどとも思い、宅配に従事する労働者諸君の労働環境悪化に一役買う後ろめたさにも堪え、さらに高い電車賃を払わずに済むからなどとセコイ勘定に捉われての、ネットショップにご厄介となる悪癖を、これからは少しばかり改善しなければと考えていたりもしています。が、しかし、居ながらにして、いつ何時でも、品数豊富な店舗を回れる手軽さに、なかなか出不精が治りそうもないとも思えてもいるのです。
 話はがらりと変わりますが、先週放映されたNHKのBS「コズミック・フロント」で、4Kカメラや特殊カメラなどを使って撮影された最新の太陽の姿を観ました。太陽表面の映像(12秒間隔で撮影されたものを動画化したもの)や“温度層”別の映像などがあって、リアルの太陽の姿を間近に見ているような映像でした。とくに表面のあの泡だったような映像は、12秒間隔の画像とはいえ非常に滑らかな動きで、1億5千万キロ遠方のものとは思えないリアルさでした。高温のジェットやプロミネンスの速度はとてつもない速さですから、じっさいの“リアル”では見ることなど出来ない現象ですが、この距離と高性能のカメラという条件の中で映像化されています。やはり出不精になりますかねえ・・・。

出不精の何が悪い。浮世のバカは起きて動き回る。