明日、また明日と・・・

「時は小刻みに一日一日と歩み続け、ついには最後の一瞬にたどり着く」
 とまあ「マクベス」の台詞ではないけれど、私の場合も小刻みではあるけれど彼方此方に老化の兆しが見え始め、外国映画の俳優の名前が突然思い出せなくなる、ついさっきまでは知っていた気がするのだが、その名前が出てこないということが近頃よく起こる。こりゃあまずいと新聞のパズル欄に載っている“数独”という遊びなどをやってみるが、聞くところによれば、近頃は老人がぼけ防止にこの“数独”をよくやっているらしく、この線からいってもこれはいよいよ私も「最後の一瞬にたどり着く」時期が近付いてきたと、思ったり思わなかったりしながら、窓の外から赤んぼの鳴く声がしきりとしている午後でもあった。
 アメリカの大統領候補は二人とも私より年上で、何を好き好んで老体に鞭打つのか、よほどのマゾなのか二人ともなんて思うけれど、この国の政治屋達も老人が多いので、どうも政治と言うのは年寄りのおもちゃ“数独”でもあるらしく、「年寄りが元気なのは良いことだ」と言った人気抜群の元首相の息子は、その年寄りが跋扈する国会のスタンディングオべージョンに「あれはどうかと思う、でも僕もつられて立っちゃったけど・・・」と相変わらずおやじ同様の“イケシャーシャー”ぶりで、きっと老化など思いもよらず、数独も必要なく羨ましい限りと、TVを眺めて老人は思ったりするのだが、与党の横暴を許して好き放題の勝手をさせている責任の一端は彼にもある訳で、ただ羨ましいだけでは済まない、済まされないんだよね、これが。
 済まされないと言えば、オリンピック予算や「豊洲」でのずさんな管理を明るみに出して脚光を浴びている小池都知事だけれど、“盛り土なし”の責任追及はやや腰砕けでその声もトーンダウンしている様子だが、「わめきたてるその怒りと叫びはすさまじいが 意味は何一つありはしない」とならないようにぜひともお願いしたい。

そおかねえ