雪の花

朝の散歩に出た私はとんでもない光景を目にしました。昨日の明け方に降った雪は枯れ木を白い花で飾り、「枯れ木残らず花が咲く」の歌通りの景色となっていたのです。枯れ木のみならず草や低木も一斉に白い花をつけたような、記憶に残るシーンでした。霧氷と似たような光景でしたが、淡雪が降り積もった枝はまさしく花が咲いたそのもので、例によって肝心な時に肝心なものが無い私は、手ぶらでカメラも持たずにただその風景に見とれていたのです。まったくいつもながらドジな限りです。多摩湖まで足を延ばすとそこは一面桜の満開のような景色が広がり、この辺りでこんな光景は初めてのことだし、これはひょっとすると最初で最後の見ものかもなんて思ったりもしたのです。雪の花はほんの僅か、おそらく30分程度の間しか持たず、日が差すとはらはらと落ちて枯れ枝に戻っていきました。このはかなさは霧氷と同じです。今月に行った三頭山の雨氷もすごかったのですが、昨日の多摩湖の景色も負けていなかったのでした。
来週からは3月が始まります。暖冬の冬もあとわずかとなりました。今日は「2・26」、「戦争が廊下の向こうに立っている」と詠んだのは誰だったか・・・。

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