春雨に

何か記録的寒波があちこちに来たようで、私のところの温度計も4日連続の氷点下の気温を記録しました。九州や中国地方では水道管が破裂したりで広範囲にわたって断水が続いているらしく、大変なことになっている様子です。海を隔てたアメリカでもだいぶ被害が出たようで、30人もの死者が出ていると言われています。暖冬変じて記録的寒波となって気象庁は大慌てでしょう。それでも昨日あたりからは少しは寒波も和らぎ、2月は関東以西については暖冬となる予報が出ています。
長期予報ではやはり今年は暖冬で春も早いとのことですから、すでに咲いてしまった梅の次には桜がおっつけ咲き始めて、春雨の時期がやってくる訳です。ここでやっとこ表題に結びつくのですが、なんとも回りくどく無理やりの感は否めません。
なぜに「春雨に・・・」かと言えば、
春雨に 衣はいたくとおらめや 七日し降れば 七夜来じとや
という歌のことを思い出したのです。この歌のことは以前にも書いた記憶がありますが、漢詩の本をめくっていて、その詩の内容があまりに和歌と違っていることに、いまさらながら驚いたと、まあそんなところなのです。私たちが中学、高校で習う漢詩と言えば、「静夜思」、「春望」などがあげられますが、李白にしても杜甫にしても“色恋”の詩はありません。「はるさめ・・」は女の人が歌ったものですが、あの人麿さんだって貫之さんだって漢詩のような調子のものはありません。やはりこの国は昔からナヨナヨとした、グチャグチャとした文化の中でしか生きてこなかったんでしょう。テニスの錦織クンもジョボビッチくんに敵わない訳です。精神的にフニャフニャの美が伝統なのです。女の人に「七日雨が降ったら、七晩来ないの・・・」なんて言われて、“そんなあ、これから行きますよ”とのこのこ出かける国民なのです。だから、「一億総活躍」とか「国を守る気概」、あるいは「断固たる決意で挑戦」なんか出来ないのです。考えようによっては私たち日本人は、世界で一番平和的国民であると言える訳で、憲法9条とともにノーベル平和賞の候補となってもおかしくない、稀有な存在でもあるとも思えるのです。

私のこと?