ガモフ

言わずと知れた大科学者、ジョージ・ガモフの書いたものを図書館から借りて読んでいます。例によってほとんど見るだけ読むだけで理解とはほど遠いのですが、何せ大科学者であり、「トンネル効果」などという名前を聞いても何のことなのかさっぱりわからない理論を考えた人であり、きっとアインシュタインの次ぐらいに有名な人なので、ここはひとつ冥途の土産に一つぐらいは本を読んでおこうと、遅ればせながら“初ガモフ”に挑戦したと言う次第なのです。
「ガモフコレクション」というシリーズのなかの「太陽と月と地球と」という本です。ガモフはすでに50年ほど前に亡くなっていますから、この本が書かれたのはさらに前で、したがって科学分野の本の宿命とも言うべき“情報の最新性”という点では、すでに書き替えられている情報も幾つかあると思います。けれども読み物としての魅力は少しも損なわれていないのです。この辺りもガモフという人の底知れぬ力を感じさせます。本文中の挿絵や図面も今見るとレトロっぽいもので、こんなところもこの本の魅力かも知れません。
太陽と月と地球という、私たちにとっては最もなじみの深いものがテーマであることも、私のようなガモフ初心者にとってはとっつきやすいと言えます。旧ロシア時代のウクライナに生まれたガモフが、その後アメリカに渡って理論物理学の第一人者として世界の理論をリードして行ったことを思う時、学問の世界に国境は存在しない、というか知能の世界に国境はないのだと改めて思ったりします。まあ資本の世界も国境がないようで、近頃では「テロ」なんてものも国境がなくなっていますから、「国」なんてものもそのうち無くなり、そうすれば難民もなくなる訳で、「エントロピーは増大する」という物理の第2法則が正しかったという時代が来るやも知れません。ガモフさんもそこまで読んでいたかは不明ですが・・・。

眠いわ・・・