探し物

“探し物は何ですか・・・、見つけにくいものですかあ・・・”と、井上陽水がその昔歌っていましたが、私の探し物癖はまさに歌の文句そのもので、あちこち探してなお見つからず、諦めてもういいやと思っているとひょんな時に出てきたりする、“探すのを止めた時   見つかることもよくある話で・・・”の通りのことが多くあります。もちろん見つからずにそのまま出てこないことも少なくない訳で、要するにその場しのぎでかまわずに突っ込んでしまうことに、探し物の見つからない原因の多くがあることは疑いもなく、この点の改善をしなければと考えてはいるんですが、どうも上手くいかずに現在に至っています。
ここ数年の探し物で冬場が近くなると想い出す物に羽毛服がありました。ここで“ありました”と過去形となっていることにご注目ください。やっと見つかったのです。押し入れの下の方にあるプラスチックの衣装入れの中に入っていました。そんなところに入れてあっただなんてすっかり忘れていました。もう冬山をテントの中で過ごすこともなくなりましたので、羽毛服などなくても一向に困らないと言えば困らないのですが、若い頃になけなしの財布を叩いて買った「ドメゾン」ですから、未練があって探していたのです。このドメゾンの上着と半シュラでテントに泊まった時のことを、懐かしく想い出しました。まあ老人の懐古趣味と言われればそれまでですが、ウッド・シャフトのピッケルとか岩登りで使ったハーネスなど、捨てるにはしのびない物の一つに探し物の羽毛服があったのです。寒い日には着てみましょうかねえ、ヨカッタ、ヨカッタ。

なに探してるの?