聴きごたえのある話

昨日のNHKTVはほぼ一日中にわたって参議院特別委員会の中継を流していました。見どころは鴻池特別委員会委員長の不信任動議の野党側賛成討論で、午後1時から始まり延々と時間稼ぎの討論が行われました。中でも民主党の大塚委員、共産党の委員(名前は忘れた)と社民党の福島委員の賛成討論は中身も充実して時間もたっぷりとり、本来の委員会での議論よりも分かりやすく納得できるものでした。
戦術として、数ではかなわない野党が議論を引き延ばすことで法案成立や与党国会運営に対抗するのは、言論の府として当然の戦い方と思います。ただ、話の中身は重要であり、意味のないことをダラダラ喋っていても聴かされる方はたまりません。その点でこの3人の話は、いわゆる“傾聴に値する”ものであったと思われます。3人とも30分近くに渡った賛成討論でしたが、もっと長くてもよかったと思いました。“聴かせる演説”であったのです。
しかし不信任動議はその後否決され、午後4時半ごろ鴻池委員長が再度委員長席に着くや否や、言論の府とは似ても似つかぬ大混乱の中で「戦争法案」の委員会可決を宣言したらしい(TVを見ていても何が何だか分からなかった)のです。言論が数によって押し切られた瞬間でした。強行採決という形で参議院特別委員会審議は終わりましたが、議論を尽くすことの重要さを感じさせられました。

耳を澄ます